かつて存在したバンコク最大規模の裏カジノ
タイに裏カジノがあることはご存じでしょうか?
タイではギャンブルが禁止されており、カジノに行きたければ、カンボジアのポイペトに行くのが一般的と言われていました。
しかしながら、実際は違法カジノが運営されており、特に最近では中国人向けのカジノが摘発されています。タイで摘発された場合はカジノの運営者やディーラーだけでなく、客も違法になります。
かつて軍事クーデター前は、バンコク最大規模とまで言われた裏カジノがペッブリー通りのソイ5にありました。ペッブリー通りのソイ5はパヤタイ駅から徒歩5分程度の場所にあり、ほとんどの日本人どころか、タイ人も知らないカジノでした。
夜も賑やかなペッブリー通りソイ5
このカジノに入るには、ペッブリー通りソイ5の中にあるさらに小さなソイにあります。
ソイの入口付近にある荷物預り所で、カバンなど手持ちの荷物を預ける必要がありました。携帯電話の持ち込みが禁止なので、携帯電話も預ける必要がありました。
右側のソイを入ったところが裏カジノ跡
かつての荷物預け所
かつての裏カジノがあった場所
カジノと言っても、綺麗とは言えない昔ながらのタウンハウスで、ソイの入り口とタウンハウスの玄関に門番がいました。タウンハウスの中に入ると金属探知機があり、狭い入り口を通り抜けて、賭場へと入ることができます。
これは警察のガサ入れ対策と思われますが、日本の裏カジノと違うのはタイでは警察に賄賂を渡しており、摘発されないようにしています。
このカジノは24時間営業しており、多くの人で賑わっていました。ギャンブルといっても、バカラのみです。
バカラといえば、大王製紙の前会長が106億円溶かしたこと事件もありましたが、人を狂わせる何かがあるのでしょうか?
換金レートに関しては、最初に100バーツ単位のチップを購入し、1回に賭けられる最大額は5万バーツまで。多くの人がお金を失い、破産した人もいるでしょう。当時、近くには金行があり、ゴールドを身につけているタイ人が一文無しになった時に、その場で売って、現金を確保するための商売として成り立っていました。
当時の裏カジノのディーラーの給与は、8時間勤務して月6万バーツで、当時のタイ人の月給としては高給ですが、逮捕されるリスクがある環境なので、決して高くはないでしょう。
VIP用の裏カジノ
上記で紹介した裏カジノでは、チップの最小単位が100バーツで、一回に賭けれる最大額は5万バーツですが、別の場所にVIP用の裏カジノが存在していました。ここでは最小単位が1000バーツで、上限は30万バーツだったと記憶しています。
但し、庶民が賭けれるレベルではないため、招待制になっていました。
軍事クーデターで幕を閉じる
しかしながら軍事クーデターで裏カジノが摘発され、ペッブリー通り通りソイ5の裏カジノは幕を閉じました。
情報提供者によると、軍事クーデター後もVIP用の裏カジノは残っていました。招待制だったため、細々と営業することができたと思われます。
また庶民向けの裏カジノのディーラーの何人かは、ポイペトにあるカジノで客としてバカラをしていたとのことです。
現在のペッブリー通りソイ5
裏カジノが摘発された後でも、この一帯は飲食店などで夜遅くまで賑わっていました。外国人はほとんど見かけず、地元のタイ人ばかりです。
以前と異なるのは、金行が一軒もなかったことです。また路上でケバブやハンバーガーを売る屋台と、日本食屋、客がいるのかわからないようなバーが見られるようになりました。
店の人に聞いてみると、カジノはなくなったとのことですが、とあるお店から、VIP用カジノならある、とのことで情報を頂きました。ただ具体的な場所は聞けませんでした。
その情報を元にかつてVIP用があった場所に行ってみましたが、そのような雰囲気はありませんでした。もし存在するなら門番がおり、明らかに「何かある雰囲気」があるものですが、取材をした日には見かけませんでした。
今もペッブリー通り通りソイ5にVIP用の裏カジノは存在するのでしょうか?
機会があれば、また取材に行ってみたいと思います。